みなさまこんにちは。
ついに大阪万博が始まりましたが「関係ないしなあ」「よくわからんしなあ」とお過ごしの方も多いのではないでしょうか?
かくいう私も、自分が関係なかったら万博など無視して(言い方悪いですね(^_^;))過ごしていたと思います。
そんな私ですが、万博に出演することが決まりました!
「万博に出演」って何?
ぶっちゃけ、勤務先でも「万博出ます!」と言うと
「万博出るって何?」
「縁のない単語すぎて…」
とドン引き、まではいかなくても軽く引かれました。
突然言われたらそうなりますよね(^_^;)
実はこの度、私が
「こんなの作って!」
「やだもっとこんなのがいい」
と発案に携わらせていただいて、試作品にもケチをつけ改善案を提供させていただいていた製品がありまして
そこの企業様が万博に出るにあたり、私のインタビューもPVに取り入れてくださった
というわけです。
ムービーはヘルスケアパビリオンのどデカいスクリーンに映し出される予定ですので、みなさまぜひ見てくださいね!
厳しい審査をくぐり抜けて万博出場権をもぎ取った企業様のホームページはこちら↓
www.happiness-corp.co.jp
「Mi-Rack」とは何か?
万博で新しくお披露目される製品は「Mi-Rack」というお名前です。
「未来」と「楽にする」をコンセプトにした、次世代のおむつセンサーになっています。
おむつセンサーって何?
そもそもおむつセンサーとはなんぞや?というお話ですが、これは前にもお話ししたことがあって
排尿排泄がわざわざおむつを覗かなくてもわかる優れモノ
介護者の負担を減らし
おむつ着用者のプライバシーを守る(無駄におむつを覗かれたり触られたりすることがない)
詳しくはこちら↓
haru28m.hatenablog.com
というものです(読者のみなさまを信じて簡略化^^;)
これまでのおむつセンサーとの違い
では今回の「Mi-Rack」はこれまでとどう違うのかというと
「圧倒的使用者目線」
です。
これまでのおむつセンサーは、センサーを兼ね備えたシステム全体を指します。
しかし「Mi-Rack」は製品名です。
これ、具体的にどんな違いが生まれるのかというと、
施設導入を目的としているか
個人支援を目的としているか
に分かれるということです。
従来の「ハピネス絆」などのおむつセンサー
これまでのおむつセンサーは介護施設や病院などに導入して、介助者の負担を減らすとともに患者さんの羞恥心だったり自尊心に配慮する、という全体的な助けがメインでした。
これは、そろそろ企業名を出しましょう、ハピネスコーポレーション様がもともと、
IoTで介護・福祉業界を支える
という、主に事業者向けの事業を行っていたからです。
今回の「Mi-Rack」というおむつセンサー
ただぶっちゃけ、施設を運営してもいなければ介護士を雇用していない大多数の世の中の人にとって、「導入したら従業員の負担が減ります」云々は関係のないお話です。
さらに、これとても大事なのですが、
患者にとっても介護士介助者の負担は関係がない
んですね(めっちゃ口悪いm(__)m)
そりゃ申し訳ないとかは思いますし、いつもありがとうと感謝もしていて、
もう数年前からお世話にならなくなった私ですら今でも「ありがとうあのときのヘルパーさん!」と感謝を忘れたことはないのですが、
それでもあえて冷たく言うなら、
仕事がしんどいならやめれば?
で済むことなんです。
このへんは介護士も保育士も同じですね(^_^;)
そこで「Mi-Rack」の話に戻ります。
Mi-Rackは患者である私が言い始めた、患者のためのおむつセンサーです。
施設導入しなくてもセンサーが反応したらスマホに通知が届き、アプリで排泄時間のデータも取れるしいろんな機能も管理できる、圧倒的個人使用者向けのおむつセンサーです。
まだ公式発売前なので試作品を見せていただいているのですが、
めっちゃぺらんぺらん!
これをおむつの外から貼っておけば排泄を感知してくれるので、
わざわざドレーンつないだり人工肛門でケアしたりオストメイトトイレ探したり…っていう必要がなく、
おむつを使っていても褥瘡など皮膚トラブルのリスクもぐんと減らせます。
ナニソレすごくない?
「Mi-Rack」って誰向けのおむつセンサー?
ここまで読まれた方は疑問に思ったことでしょう。
「排泄が自分でわからないことがあるのか?」と。
むしろそう思う人が大半であってほしいです。
幸せに生きてこられた証拠なので。
これ全然「苦労を知らない」とかの煽りではなくて、本当に「自分で排泄がわからない」なんて苦労はしなくていいと思うんですよ。
ですがしなくてもいい苦労をする経験は往々にしてあるもので、
たとえば私は21歳で多発性硬化症という神経難病にかかりました。
初めてぶっ倒れたときが1番ひどくて、右半身麻痺から、治療しているのに進行が止められず、左脚の麻痺や左手の硬直痙攣など、もう手のつけられない状態で。
筋肉もおかしいですが感覚異常もあり、特に脚はどれだけ電流を流しても何も感じず触っても叩いても痛くない、ベッドから落ちてあざができても気づかない……などなど
そんななかで、排泄は尿道ドレーンや摘便。
ちょっと回復しても、看護師さんに車椅子でトイレまで運んでもらって服を脱がせてもらって、便器に移乗までさせてもらったら壁にもたれて排泄できるかなという程度。
そこへ度重なる再発があり、
「もう自分でトイレには行けないかもしれないな」
と諦めの境地。
そのとき偶然病室が同じだった多発性硬化症の先輩(私より前に発症していたという意味)も、下半身が完全に麻痺しており、電動車椅子に乗って1人で移動はできるものの、排泄の感覚はもちろんない人でした。
排泄の感覚がないと、いずれ退院して自立した生活を送るために
- 定期的にトイレに行って排泄のチェック
- おむつを1人で履き替える
- おむつでなくてパンツに戻せるなら(排泄の時間コントロールができるなら)なおよし
- 鏡を後ろに置いて拭けているかチェック(お尻の感覚もないので座ったままでは拭けているかわからない)
- 拭けているかチェックするために前傾姿勢を維持できる筋力の回復
慣れればチェックしなくてもいいのですが、新米患者の私には上記のこと+麻痺からの回復が一気に求められており、大変ぴえんしておりました。
だからこそ諦めの境地で、先輩に「慣れればできるよ!」と励ましていただいたわけです。
繰り返しますが当時の私は21歳。
キラキラしていたかはさておき、友達とも遊びたいしデートもしたい、トイレに同行者なんていてほしくない、プライバシー気にする系女子大生でした。
Mi-Rackはこんな過去の私のように、いろんなことを理由に排泄関係でぴえんしながらも、ヘルパーさんなしで行動したいし、プライバシーも守りたい、当たり前の願望を抱いている人に向けた製品です。
「Mi-Rack」発案のきっかけ
ハピネスコーポレーションの代表取締役CEO・木元様に出会ったのは、絶望と希望の両方を抱えながら前向きに生きようと向かった展示会でのことでした。
その頃の私は再発頻度があまりに高く、寝たきりになって車椅子に座れるようになってはまた寝たきりに戻って、という入退院生活を繰り返し、
国内認可の薬や治療もすべて試したけれど効果がなくて、
多発性硬化症は余命のある病気ではないけれど、喉の筋肉の痙攣硬直で窒息することも多々あったことから「もう長くないのでは」とまで言われていました。
思い返せば普通に絶望だわ。
で、そんなときに木元様が「ベッドに敷くタイプの」おむつセンサー(従来型)を世界で初めて開発したとおっしゃるので、
「これは車椅子では使えないですか?」と、つい尋ねてしまいました。
だって、そう遠くない未来に、なんならその瞬間に再発でもして部位が悪ければ、排泄機能も完全に麻痺すると言われていたから。
多発性硬化症は悪くなっては少し回復、を繰り返しながらどんどん悪くなっていくのが特徴なので、完全に麻痺しても一度は少しくらい回復するかもしれません。
でもまた悪くなるのも特徴なので、さらに悪化するのも時間の問題。
さらに私は上記のような「そろそろ命の危険が…」的なことが何度もあったので、回復する時間を信じられるわけもなく。
ねえ、誰か私を助けてよ。
人助けのためでもなんでもなく、ただ今の私を、次の瞬間倒れるかもしれない私を、救ってくれるものがほしかった。
この願いを控えめにした「車椅子でも使えますか?」を真剣に取り上げてくださった木元様のおかげで、Mi-Rackは誕生しました。
大阪万博ヘルスケアパビリオンでMi-Rackと私に会おう!
ここまで言えばMi-Rackにかける私の願いも伝わるかと思います。
Mi-Rackは「世界初のおむつセンサーを作れたなら簡単じゃね?」という私の思いとは裏腹に、尋常じゃない人と時間を費やして作り上げられています。
Mi-Rack開発中の出来事
それもそのはず。
従来のおむつセンサーは圧力センサーでした。
しかしキャンプなどのアウトドア用の折りたたみ椅子にも似た、パイプに布を張った基本構造をもつ車椅子におむつセンサーをそのまま置いても、
- 荷重と布のたわみのせいでうまく作動しない
- 車椅子は基本揺れっぱなしなので圧力感知だとセンサー鳴りっぱなし
- そもそも電源はどこよ?
といった問題がありました。
それをうまいことクリアしたうえで、
「配線コードが邪魔になるの嫌」
「衛生面気になるけど毎回洗うのも負担だし、センサーは使い捨てがいい」
「折れたり違和感あったりするから薄くないと嫌」
「スマホの文面わかりづらいから変えてほしい」
「表示の色もわかりやすく変えて」
といった無茶苦茶な私の注文にも応えてくださって、今もMi-Rack(及びハピネスコーポレーションの皆様の技術力と無理難題への適応力(笑))は日々進歩しています。
よし……見に行くか。
Mi-Rackと私に会いに行こう!
大変失礼な話ですが、私はおむつセンサーを健常者が作れるとは思っていなかったのです。
あまり健常者障害者と区別するのは好きではありませんが、それでも重度障害者として過ごしてきた私としては、
あのつらい日々を体験していないのに、想像で製品が作れるのか
むしろ
あのつらい日々の体験がなくても製品が作れるほど、想像力があるのか
と、とても驚きました。
だからこそ木元様、ハピネスコーポレーション様ならできるのではと、Mi-Rackについても口出しさせていただきました。
今でこそ平凡に日々を送れている私ですが、先日また発作があり、再発を疑う事件もありました。
(記事が前後しているのでそのときの話はまたの機会に書きます)
だからこそ今回のMi-Rackが
- 下半身麻痺の人
- 麻痺までいかなくとも病気や加齢などの感覚鈍麻があり、入院していないけれどおむつだからと外出をためらってしまう人
など、もっといろんなことをしたいのに、おむつや麻痺のせいで行動を制限されてしまう人々の背中を押すものになれば、とても嬉しく思います。
ではでは、ぜひ万博の会場でお会いしましょう!
2025年4月29日~5月5日、大阪万博ヘルスケアパビリオンの展示・出展ゾーンですよ!
ハピネスコーポレーション公式サイトの万博への情報↓
www.happiness-corp.co.jp